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暗号資産レンディング・ステーキングの報酬、分離課税の対象になる?— 現時点での解釈

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暗号資産レンディング・ステーキングの報酬、分離課税の対象になる?— 現時点での解釈
この記事のポイント
  • 2028年の分離課税(20.315%)は「特定暗号資産の譲渡所得等」が対象。レンディング・ステーキング報酬は譲渡所得ではないため、総合課税(最大55%)のまま残る可能性が高い
  • レンディング報酬は受け取った時点で雑所得として課税が確定する。「売っていないから税金は発生しない」はレンディング収益には当てはまらない
  • 2028年以降は売却益(申告分離課税)とレンディング収益(総合課税)を別々の所得区分で計算・申告する必要がある
  • 大綱の「等」の範囲が政令で拡張される可能性はゼロではないが、現時点ではレンディング・ステーキングは対象外の解釈が妥当

2026年3月31日に金商法改正案が成立し、2028年からの分離課税がほぼ確定しました。ただし「分離課税で20%になる」という話がどこまで自分に当てはまるのか、正直まだよくわかっていませんでした。

特に気になったのは、レンディングやステーキングの収益が分離課税の対象になるかどうかという点です。PBR Lendingを検討していて調べ始めて、思ったより複雑だと気づいたので整理しておきます。

「分離課税で20%」の対象は「譲渡所得」に限定される

まず前提として、2028年以降の分離課税で20.315%が適用されるのは「特定暗号資産の譲渡所得等」に限定されます。

「譲渡」とは、保有している暗号資産を売却したときに発生する所得のことです。

一方、レンディング収益やステーキング報酬は——

  • 売却はしていない
  • 保有しながら運用して得る「利息」「報酬」

という性質のもので、譲渡所得の定義から外れる可能性が高い。

現行のレンディング・ステーキングの扱い(2026年時点)

現在、各収益の所得区分はこうなっています。

収益の種類所得区分税率
暗号資産の売却益雑所得(総合課税)最大55%
レンディング収益(貸出利息)雑所得(総合課税)最大55%
ステーキング報酬雑所得(総合課税)最大55%

2028年以降、売却益の部分だけが申告分離課税(20.315%)に変わる見込みです。レンディング収益・ステーキング報酬については、現時点で明示的な変更が大綱に盛り込まれていません。

2028年以降もレンディング・ステーキングは変わらない可能性が高い

令和8年度税制改正大綱を確認しても、レンディング収益やステーキング報酬を分離課税の対象にする旨の記載は見当たりません。

ただし、注意点が2つあります。

「等」の範囲が政令で拡張される可能性

大綱の原文には「特定暗号資産の譲渡所得」と書かれており、「等」の範囲は今後の政令・内閣府令で定まります。業界団体(JVCEA・JCBA)はかねてからステーキング・レンディングへの分離課税適用を要望しており、将来的に対象範囲が広がる可能性はゼロではありません。

受取時課税の問題は残る

レンディング報酬・ステーキング報酬は、受け取った時点で課税が確定します(含み益ではなく、受取時に雑所得として認識)。これは2028年以降も変わらない見込みです。「まだ売っていないから税金は発生しない」という考え方は、レンディング収益には当てはまりません。

ぼくの場合——PBR Lendingで気づいたこと

利確せずに暗号資産を塩漬けにしているぼくが最近調べていたのが、PBR Lendingです。

売却せずにBTCやETHをそのまま貸し出して、年利10〜12%の利息を受け取れるというサービスです。「売らなくていいなら含み損に関係なく暗号資産が増えていく」という点に最初は魅力を感じました。

でも調べていくうちに、レンディング収益は毎年雑所得として申告が必要だとわかりました。2028年に分離課税になっても、この利息部分は現時点では総合課税(最大55%)のまま残る可能性が高い。

「利確していない」という状態と「レンディング収益がゼロ」という状態は違います。レンディングで利息を受け取れば、その年の雑所得として申告が必要になります。

他の所得(給与所得や事業所得など)と合算されて税率が上がるケースもあります。「暗号資産の枚数が増える」という感覚でいると、税務上の扱いとのギャップが生まれやすい。

レンディング・ステーキング・売却益が混在したら

2028年以降は、売却益(申告分離課税)とレンディング収益(総合課税)を別々に計算・申告する必要が生じる見込みです。所得区分が異なるため、1本の計算書で済ませることができなくなります。

特にこういうケースは複雑になります。

  • レンディング収益と売却益を同じ年に持っている
  • 2027年と2028年をまたいで売却した(税制が切り替わるタイミング)
  • 海外取引所の資産も持っている(引き続き総合課税のまま)

こうした複数の収益タイプが混在する状況では、自力申告の難易度が上がります。

クリプト税理士は暗号資産の税務に特化したオンライン対応のサービスです。LINEから無料で相談できるので、「自分のケースはどの所得区分で申告するのが正しいか」という疑問から聞いてみるのが現実的です。

まとめ

  • レンディング・ステーキング報酬は「譲渡所得」ではないため、2028年以降も総合課税(雑所得)のまま残る可能性が高い
  • 売却益(分離課税・20.315%)とレンディング収益(総合課税・最大55%)は2028年以降、別の所得区分になる見込み
  • 「政令で変わる可能性はゼロではない」が、現時点での大綱の定義では対象外
  • レンディング収益は受け取った年に雑所得として申告が必要(利確していなくても発生)
  • 取引が複雑になる前に、取引履歴の整理だけは始めておく

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エム

暗号資産投資の実体験をベースに、確定申告・税金・損益計算の実務を解説しています。

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