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暗号資産の確定申告は『1%どまり』|日経2026年4月・クリプタクト338人調査で見る実態と、2028年分離課税までの整理術

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暗号資産の確定申告は『1%どまり』|日経2026年4月・クリプタクト338人調査で見る実態と、2028年分離課税までの整理術
この記事のポイント
  • 日経2026年4月17日報道:金商法改正に伴う税制改正で暗号資産の税収は大幅増の見込み、だが現状の確定申告率は『1%どまり』
  • クリプタクト338人調査:暗号資産の税務で悩む人の約7割が申告でつまずき、悩み1位は『税率の高さ』
  • 1%どまりの背景は、複雑すぎる損益計算・利確していないつもりの課税イベント見落とし・取引所ごとに分散する記録の3点
  • 2028年1月の分離課税(一律20.315%)施行を待つ前に、今年分の整理と過年分の申告漏れ点検を進めておくのがエムの見立て

暗号資産の確定申告をしている人は、保有者の『1%どまり』。日本経済新聞が2026年4月17日に報じた「仮想通貨、税収が大幅増 金商法改正に隠れた利点 確定申告1%どまり」の見出しは、多くの暗号資産保有者にとって他人事ではない数字だと思います。

政府・与党は金商法改正とセットで税制改正を進めており、2028年1月には分離課税(一律20.315%)の施行が視野に入っています。その前段階の現状でも、国内の暗号資産口座は約1,347万ある一方で、確定申告まで進んでいる人の割合は極めて低いというのが日経報道の指摘です。

結論から言うと、「保有しているだけ」なら申告は不要ですが、利確していないつもりでも課税イベントを起こしているケースがかなり多い。クリプタクトが先日発表した338人調査では、申告者の約7割が税務でつまずき、悩みの1位は「税率の高さ」でした。

この記事では、日経報道とクリプタクト調査の要旨、1%どまりの背景、利確していない派が今のうちに点検しておくべきポイントを、利確経験のないエム視点でまとめます。分離課税施行までのロードマップも含めた整理です。

日経2026年4月17日報道:暗号資産の確定申告は『1%どまり』

日本経済新聞は2026年4月17日、「仮想通貨、税収が大幅増 金商法改正に隠れた利点 確定申告1%どまり」と題した記事を配信しました。

報道の要旨は次の3点です。

  1. 金融庁は暗号資産を金融商品取引法の規制対象として位置付け直す法案を2026年4月10日に第221回国会へ提出した
  2. 政府・与党は金商法改正とセットで税制改正を進める方針で、税収は大幅増が見込まれる
  3. ただし現状の確定申告率は「1%どまり」で、制度変更でようやく捕捉率が上がる構図

「1%」という数字は、暗号資産保有者のうちで実際に確定申告までたどり着いている人の割合を指したものです。国内の暗号資産口座数は約1,347万(日本暗号資産等取引業協会の直近データ)。もちろん口座数と課税対象者はイコールではないものの、「取引を動かしているのに申告していない層」が相当な規模で存在していることは間違いありません。

出典:日本経済新聞「仮想通貨、税収が大幅増 金商法改正に隠れた利点 確定申告1%どまり」2026年4月17日付

金商法改正の全体像は片山財務相「暗号資産は金融インフラ」発言の全体像で、2028年1月の分離課税施行の見通しは暗号資産の分離課税、2028年1月施行が『順序どおり』で濃厚でそれぞれ整理しています。

クリプタクト338人調査:7割がつまずく、悩み1位は「税率の高さ」

もう一つ、同時期に公開された数字があります。暗号資産の自動損益計算サービス「クリプタクト」を運営する株式会社pafinが、暗号資産ユーザー338人を対象に行った確定申告に関する調査です。

ポイントを抜き出すと、次のような実態が浮かびます。

項目調査結果
調査対象暗号資産ユーザー338人
確定申告でつまずいた経験約7割
悩み1位税率の高さ(最大55%)
悩み上位損益計算の煩雑さ、取引履歴の整理、経費計上の判断

出典:株式会社pafin「暗号資産の確定申告、悩み1位は『税率の高さ』:クリプタクト調査」(2026年4月)

調査で1位に上がった「税率の高さ」は、現行制度では暗号資産の利益が雑所得(総合課税)扱いとなり、所得税・住民税を合わせて最大約55%まで跳ね上がることに起因します。2028年1月施行予定の分離課税では一律20.315%まで下がる見通しですが、海外取引所やDEXの取引は総合課税のままです。この対象範囲の違いは意外と見落としやすい論点で、暗号資産分離課税『一律20%は誤解』経路選択と特定暗号資産の実態で詳しく整理しています。

『1%どまり』の背景:なぜここまで低いのか

暗号資産の確定申告率がここまで低い理由は、制度の厳しさと現場の実務のギャップに集約されます。エムが過去に海外取引所も含めて取引していた立場から見ても、「これは自力では厳しい」と感じる場面がいくつもありました。

背景1:損益計算が現実離れして複雑

暗号資産の損益計算は、1回の取引ごとに『その時点の日本円換算額』を記録する必要があります。ビットコインからイーサリアムへの交換1回でも、

  • 売却したBTCの取得単価(総平均法または移動平均法)
  • 売却時点のBTC/JPYレート
  • 取得したETHの取得単価

をその都度計算して記録します。これが年間数百〜数千件になると、手作業での損益計算は現実的ではない。クリプタクト調査で「損益計算の煩雑さ」が悩み上位に入るのは、この実務負担がそのまま数字に出ています。

背景2:「利確していない」つもりでも課税イベントが起きている

もう一つの根深い問題は、「日本円に換金していないから申告不要」と思い込んでいるケースです。実際には、以下のアクションはすべて課税対象になり得ます。

アクション課税されるか
保有し続ける(含み益のまま)❌ 課税されない
日本円に換金する✅ 課税される
暗号資産同士を交換する(BTC→ETHなど)✅ 課税される
暗号資産で商品・サービスを購入する✅ 課税される
ステーキング・レンディング報酬を受け取る✅ 課税される
エアドロップ・ハードフォークで取得する✅ 課税される

「取引所の自動スワップ機能を使っただけ」「ステーキング報酬が自動で貯まっていた」という程度でも、利確として扱われて課税イベントが発生しているのが現行制度です。利確していないつもりの人が『1%どまり』の母集団に含まれているのは、この誤解の影響が大きいと見ています。

利確していない派の日常的な注意点は利確しない派のための暗号資産管理ガイドにまとめました。エムも国内取引所で現物保有しているだけで利確はしていない立場ですが、この前提で何をやっていれば課税を発生させてしまうかは定期的にチェックしています。

背景3:取引所ごとに記録が分散している

複数の取引所やウォレットを使っている人は、取引履歴が各サービスに分散しています。国内取引所は年間取引報告書(または確定申告用データ)を出してくれますが、海外取引所・DEX・NFTマーケットプレイス・DeFiは自力でデータを取りに行かないと揃いません。

NFTやDeFiが絡むと、さらに「何が課税イベントか」の判定自体が専門知識を要求します。自力で税務署を納得させるレベルの帳簿を作るのは、ほぼ無理というのが、実務をかじった立場の本音です。

国税庁はすでに暗号資産を『重点監視対象』にしている

「1%どまり」と聞くと「みんな申告していないから大丈夫」と考えたくなりますが、国税庁側の動きはその逆です。

国税庁が2025年12月に公表した令和6事務年度のデータでは、暗号資産取引の実地調査613件中、非違割合は93.8%。1件当たりの追徴税額は745万円で、所得税全体平均の2.5倍という水準でした。詳細は暗号資産の申告漏れはいくら?国税庁の税務調査データにまとめています。

国税庁は選定にAIを活用し、国内取引所からは税務署に取引情報が提供されています。2025年4月のトラベルルール改正で通知対象法域が58に拡大し、海外取引所への送金経路も金融庁側で追跡しやすくなっています。規制動向の全体像は暗号資産の規制2026年最新まとめに整理していますが、「1%どまり」の現状は『捕捉の前の水準』であって、国税庁が黙認しているわけではありません。

2028年分離課税までのロードマップ

日経報道が「金商法改正に隠れた利点」と表現したのは、金融商品取引法の改正とセットで税制改正が進む流れを指しています。足元の時系列を整理するとこうなります。

時期出来事
2026年4月10日金融庁が金商法改正案を第221回国会に提出
2026年中金商法改正と並行して暗号資産税制の法案準備
2027年税制改正法案の成立が想定される時期
2028年1月分離課税施行(見込み)一律20.315%、損失3年繰越可

分離課税の対象は「国内登録取引所で取引される特定暗号資産」に限定される見通しで、海外取引所やDEXの取引は総合課税(最大55%)のまま残ります。施行時期や対象範囲の最新見立ては暗号資産の分離課税、2028年1月施行が『順序どおり』で濃厚暗号資産の分離課税はいつから?税率・対象・スケジュールを解説で更新しています。

税率シミュレーションは分離課税シミュレーターで試算できます。分離課税施行後に自分の利益がどの経路でいくら課税されるか、ざっくり把握しておくと動きやすくなります。

今やるべき4つの整理(2028年分離課税までの準備)

「1%どまり」の側にいる自覚がある人、あるいは「自分はたぶん大丈夫」と思っている人にも、分離課税施行前の今のうちに済ませておくといい整理を4つに絞って挙げます。

整理1:取引所の年間取引報告書を全部入手する

国内の主要取引所は、確定申告用の年間取引報告書をマイページからダウンロードできます。複数取引所を使っている人は、まず全取引所分のデータを手元に集約するところから。海外取引所を使ったことがある人は、当時のメール・取引履歴エクスポート・ウォレットアドレスの記録を掘り起こしておくのが最優先です。時間が経つほど復元が難しくなります。

整理2:自動損益計算ツールで取引を一元化する

取引件数が年間数十件を超えるなら、自動計算ツールを使うのが現実解です。国内利用者数No.1のクリプタクトは、国内・海外取引所・NFT・DeFiのすべてに無料プランで対応しており、無料プランでも年間最大10万件の取引履歴を取り込めます。複数取引所をまたいだ取引の損益計算を、API連携または履歴アップロードで一元化できるので、「まず全体像を把握する」フェーズにはこのクラスのツールが適切です。

最近は、クリプタクトがMCP(Model Context Protocol)サーバーを2026年4月16日に公開し、Claude や ChatGPT といったAIアシスタントから直接損益を確認できるようになりました。損益計算の自動化がAIエージェント連携まで進んでいる流れは覚えておいて損はありません。

損益計算の方法論そのものは暗号資産の損益計算の方法|総平均法と移動平均法、どちらが有利かで整理しています。

整理3:過年分の申告漏れを点検する

「そういえば何年か前にイーサリアムに交換した」「2021年のブル相場で少し利確した」といった記憶がある人は、過年分の申告漏れがないか点検するフェーズに入ります。暗号資産は時効(通常5年、悪質7年)まで遡って調査対象になります。

自主的に修正申告した場合と、税務署から指摘された場合では加算税の扱いが変わります。悪質ケースでは重加算税(最大40%)が追加されます。暗号資産の申告漏れはいくら?国税庁の税務調査データの調査事例で触れていますが、「知らなかった」は通用しないのが現行の運用です。

整理4:複雑な取引は暗号資産特化税理士に相談する

過年分も含めて複雑な取引がある人、NFT・DeFi・ステーキングが絡む人は、早い段階で暗号資産に特化した税理士サービスに相談するのが現実的です。クリプト税理士(Crypt Tax Doctor)は、NFT・DeFi・ステーキング・海外取引所を含む取引に対応したオンライン型の税務サポートで、損益計算から申告書の作成までを一括で任せられます。LINEの無料相談から始められるので、全体像の整理だけ依頼するという使い方もできます。

追徴税額1件当たり745万円という国税庁データを踏まえると、「合っているか不安なまま自力で出す」よりも、最初に全体像をプロに整理してもらうほうが、金額的なリスクヘッジとしては合理的です。

エムの見立て:『1%どまり』のうちに動くほうが楽

ここまでデータと制度面を整理しました。最後に、エム個人の見立てを書いておきます。

『1%どまり』の現状は、税務当局からすれば伸びしろしかない局面です。金商法改正・税制改正・取引所の税務連携・AI活用の選定、どれも捕捉率を上げる方向に作用します。2028年の分離課税施行で税率は下がるものの、下がるのは「税率」であって「捕捉」は強化される一方です。

この非対称性を考えると、今『1%どまり』の側にいるうちに、過年分の点検と今年分の整理を済ませておくほうが、いざ当局から照会が来たときのダメージを大きく減らせます。エム自身は利確していないので申告対象ではありませんが、過去に海外取引所を使っていた記録は今のうちに自分用の帳簿として整えています。「自分には関係ない」と思っている人ほど、一度ツールに取引を流し込んでみると、実は課税イベントが数件混ざっていたというのはよくあるパターンです。

クリプタクトの無料プランなら取引履歴の取り込みだけでも動かせますし、複雑な状況ならクリプト税理士の無料LINE相談で現状把握から始めるのが低リスクです。

まとめ

  • 日経2026年4月17日報道:暗号資産の確定申告率は『1%どまり』、金商法改正と並行する税制改正で税収は大幅増の見込み
  • クリプタクト338人調査:申告経験者の約7割が税務でつまずき、悩み1位は『税率の高さ』
  • 1%どまりの背景は、損益計算の複雑さ・利確していないつもりの課税イベント見落とし・取引所ごとの記録分散の3点
  • 国税庁は暗号資産を重点監視対象化済み:実地調査613件・非違割合93.8%・1件当たり追徴税額745万円(令和6事務年度)
  • 2028年1月の分離課税施行(見込み)で税率は最大55%→一律20.315%、対象は国内登録取引所の特定暗号資産に限定
  • 分離課税施行までに済ませたい整理は4つ:取引報告書の集約/自動損益計算ツールの活用/過年分の申告漏れ点検/特化税理士への相談
  • 「1%どまり」の側にいるうちに動くほうが、捕捉強化後のダメージを減らせる

よくある質問(FAQ)

Q. 暗号資産を保有しているだけなら確定申告は不要ですか?

A. 含み益のまま保有しているだけなら課税されません。ただし、暗号資産同士の交換・商品購入への利用・ステーキング報酬の受取・エアドロップでの取得はすべて課税イベントです。「日本円に戻していないから不要」と思い込んでいる方の多くが、この誤解で申告漏れを起こしています。詳細は利確しない派のための暗号資産管理ガイドをご覧ください。

Q. 過年分の申告漏れに気づいた場合はどうすればいい?

A. 時効(通常5年、悪質7年)まで遡って調査対象になります。自主的な修正申告と、税務署から指摘を受けてからの対応では加算税の扱いが変わります。金額が大きい、あるいは海外取引所・NFT・DeFiが絡む場合は、暗号資産特化の税理士に相談するのが確実です。自力判断のままにしておくと、後から追徴税額745万円(平均)クラスのダメージになる可能性があります。

Q. 2028年の分離課税施行を待って利確するほうがお得ですか?

A. 税率だけ見れば分離課税のほうが有利ですが、対象は国内登録取引所の特定暗号資産のみという限定が入る見通しです。海外取引所やDEXの取引は総合課税のままなので、「待てば全部20%」ではありません。また、施行までの3年間の価格変動リスクもあります。具体的な経路ごとの課税関係は暗号資産分離課税『一律20%は誤解』経路選択と特定暗号資産の実態で整理しています。

Q. 自分で申告するか、税理士に頼むか判断基準は?

A. 取引が国内取引所1社のみ・年間取引件数が少ない・スワップや報酬受取がない、というケースなら自力でも対応可能です。ただし、海外取引所・NFT・DeFi・ステーキング・複数取引所のどれかが該当する場合は、税理士に頼むほうがコストパフォーマンスが高いと思います。クリプト税理士のLINE無料相談で全体像だけ整理してもらい、依頼するかどうかは後から決める、という使い方が低リスクです。

Q. クリプタクトと税理士相談はどう使い分ける?

A. 損益計算そのものを自動化するのがクリプタクト、その結果を使って申告書まで作成するのが税理士、という役割分担です。取引が比較的シンプルなら自動計算ツール単体で完結しますし、複雑ならツールで損益を集約したデータを税理士に渡すと相談が効率化します。クリプタクト自身が130以上の税理士に利用されていることからも、業界標準の流れとしてこの組み合わせが主流です。

エム

暗号資産投資の実体験をベースに、確定申告・税金・損益計算の実務を解説しています。

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