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暗号資産の申告漏れはいくら?国税庁の税務調査データ【令和6事務年度・追徴46億円】

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暗号資産の申告漏れはいくら?国税庁の税務調査データ【令和6事務年度・追徴46億円】
この記事のポイント
  • 令和6事務年度の暗号資産調査:実地調査613件、非違割合93.8%(調査対象のほぼ全員が申告漏れ)、追徴税額の総額は46億円
  • 1件当たりの追徴税額は745万円で、所得税の実地調査全体平均(299万円)の2.5倍。暗号資産は国税庁の重点監視対象
  • すべての指標が前年比で大幅増加。調査件数+14.6%、申告漏れ所得+23.8%、追徴税額+31.4%と取り締まり強化が加速中
  • 保有しているだけなら課税されないが、暗号資産同士の交換やステーキング報酬の受取は「利確していない」つもりでも課税対象になる

国税庁が2025年12月に公表した令和6事務年度のデータによると、暗号資産取引を行っている個人への実地調査は613件、申告漏れ所得金額の総額は156億円、追徴税額は46億円でした。そのうち93.8%の件数で非違(申告漏れ)が見つかっています。

1件当たりの追徴税額は745万円。所得税の実地調査全体の平均(299万円)と比べると2.5倍です。

正直に言うと、私自身は利益がほぼなく利確もしていないので、暗号資産の確定申告対象ではありません。でも国税庁の最新データを見て気になったのは、調査件数・申告漏れ額・追徴額がすべて前年比で大幅増加している点でした。この記事では、一次ソース(国税庁PDF)から読み取れる事実だけを整理しています。


令和6事務年度の暗号資産取引 調査データ

令和6事務年度(2024年7月〜2025年6月)の調査結果は、すべての指標で前年を大きく上回りました。

指標令和6事務年度令和5事務年度対前年比
実地調査件数613件535件114.6%
申告漏れ等の非違件数575件491件117.1%
非違割合93.8%91.8%
申告漏れ所得金額(総額)156億円126億円123.8%
追徴税額(総額)46億円35億円131.4%
1件当たり申告漏れ所得金額2,538万円2,356万円107.7%
1件当たり追徴税額745万円662万円112.5%

調査対象者のうち10人に9人以上が申告漏れを指摘されていることになります。

出典:令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況(国税庁)(令和7年12月公表)


暗号資産の調査は「外れにくい」のか?

暗号資産調査の非違割合93.8%は、所得税の実地調査全体と比べてもかなり高い水準です。

区分調査件数申告漏れ等非違件数非違割合
所得税 実地調査(特別・一般)全体36,404件32,001件87.9%
暗号資産等取引613件575件93.8%
海外投資等を行っている個人2,666件2,360件88.5%
富裕層2,427件2,143件88.3%
シェアリングエコノミー等新分野1,155件989件85.6%

ほかの「狙い撃ち型」カテゴリと比較しても、暗号資産は最も非違割合が高い。つまり国税庁は「ここを調べればほぼ確実に申告漏れが見つかる」と判断して調査対象を選定していると読み取れます。

背景には、国税庁が選定にAIを活用していることや、国内暗号資産取引所が税務署に取引情報を提供していることがあります。さらに2025年4月のトラベルルール改正で通知対象法域が58に拡大し、海外取引所への送金経路も金融庁側で追跡しやすくなっています。規制動向の全体像は暗号資産の規制2026年最新まとめで整理しています。

出典:令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況(国税庁) P1、P5〜P7


1件当たりの追徴税額は所得税全体の2.5倍

暗号資産1件当たりの追徴税額745万円は、所得税の実地調査(特別・一般)全体平均299万円の約2.5倍にあたります。

区分1件当たり申告漏れ所得1件当たり追徴税額全体平均との比
所得税 実地調査全体1,486万円299万円1.0倍
暗号資産等取引2,538万円745万円2.5倍
シェアリングエコノミー等1,595万円305万円1.0倍
海外投資等個人3,459万円866万円2.9倍
富裕層3,449万円855万円2.9倍
海外投資の富裕層6,680万円1,595万円5.3倍

暗号資産は、富裕層や海外投資層に次ぐ水準で、「一撃が重い」カテゴリとして位置付けられています。

シェアリングエコノミー(ネット通販、アフィリエイトなど)と比べても倍以上の差があり、単純な「ネットの副収入」ではなく、国税庁の重点監視対象であることがわかります。

出典:令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況(国税庁) P5〜P7


令和5→令和6で指標はすべて増加

令和6事務年度の数字を令和5事務年度と並べて見ると、件数・金額・1件当たりの深掘り度合い、すべての指標が上がっています。

  • 調査件数: 535件 → 613件(+14.6%)
  • 申告漏れ所得金額: 126億円 → 156億円(+23.8%)
  • 追徴税額: 35億円 → 46億円(+31.4%)
  • 1件当たり追徴税額: 662万円 → 745万円(+12.5%)

件数の伸び(+14.6%)よりも申告漏れ所得金額の伸び(+23.8%)の方が大きく、1件ごとの規模も深くなっています。暗号資産市場の拡大(国内口座数は約1,347万)と連動した動きと読み取れます。

出典:令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況(国税庁) Ⅱ-3


利確していない人は関係ない?課税タイミングの基本

結論から言うと、暗号資産を保有しているだけ(含み益のまま)であれば、現行制度では課税されません。

ただし、以下のアクションはすべて課税対象になる可能性があります。「利確していない」と思っていても、知らず知らず課税イベントを起こしているケースがあるので注意が必要です。

アクション課税されるか
保有し続ける(含み益のまま)❌ 課税されない
日本円に換金する✅ 課税される
暗号資産同士を交換する(BTC→ETHなど)✅ 課税される
暗号資産で商品・サービスを購入する✅ 課税される
ステーキング・レンディング報酬を受け取る✅ 課税される
マイニング報酬を受け取る✅ 課税される
エアドロップ・ハードフォークで取得する✅ 課税される

私自身は購入したまま一度も動かしていない(国内取引所で現物を保有し、換金も交換もしていない)ので、現時点では申告対象がありません。日本の暗号資産口座の稼働率は約60%、預入額10万円未満の口座が約83%というデータを見ても、同じ立場の人が多いのだろうと思います。

一方で、「ビットコインでイーサリアムに交換しただけ」「取引所の自動スワップを使った」という程度でも課税対象になる点は、意外と知られていません。

出典:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(国税庁) / 日本の暗号資産口座数データ


2028年の分離課税施行でどう変わるのか

2028年1月から施行予定の分離課税では、税率が現行の最大55%から一律20.315%に下がります。

項目現行(雑所得・総合課税)改正後(申告分離課税)
税率最大55%一律20.315%
損失繰越不可3年間可能
対象すべての取引国内登録取引所の「特定暗号資産」のみ
適用開始現行2028年1月〜

大幅な減税に見えますが、重要なのは分離課税の対象が「国内登録取引所で取引される特定暗号資産」に限定される点。海外取引所やDEX(分散型取引所)の取引は引き続き総合課税(最大55%)のままです。

詳しくは暗号資産の分離課税はいつから?税率・対象・スケジュールを解説で整理しています。


「知らなかった」では済まない申告漏れ

国税庁の調査事例を見ると、「帳簿を破棄した」「他人名義を使って隠した」といった悪質なケースでは、通常の追徴税額に加えて重加算税(最大40%)が課されています。

暗号資産の取引履歴は取引所側に残っているため、「税務署には分からないだろう」という判断は成り立ちません。国税庁は、暗号資産取引業者への照会や、取引データの分析に加え、CRS情報(共通報告基準に基づく非居住者金融口座情報)など海外の金融情報も活用しています。

現在のところ、暗号資産の調査の重心は「多額の取引をして申告していない層」にありますが、実地調査は全国で年間613件(令和6事務年度)。決してゼロではありません。

さらに令和8年度税制改正大綱では、自己管理ウォレットに対する差押え命令の手続き整備も盛り込まれました。令和9年(2027年)4月1日施行予定で、命令違反には3年以下の拘禁刑または250万円以下の罰金が想定されます。徴税側の包囲網の全体像は【速報】税制改正で個人ウォレット差押え命令が可能ににまとめました。

出典:令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況(国税庁) Ⅱ-2、Ⅳ調査事例


自力で申告できるか不安な人の選択肢

非違割合93.8%という数字を見ると、「自力で申告して間違えるくらいなら、最初から専門家に頼んだほうが安全なのでは?」と感じる方もいると思います。

特に以下のような状況では、自力での申告がかなり難しくなります。

  • 複数の取引所をまたいだ取引(国内+海外、複数国内取引所)
  • NFT・DeFi・ステーキングを含む取引
  • 暗号資産同士の交換を頻繁に行っている
  • 1年で取引件数が数百〜数千件に達する

私自身は利確していないので申告対象ではありませんが、過去に海外取引所を使っていた経験から言うと、複数取引所をまたいだ損益計算は本当に手間です。NFTやDeFiが絡むと、自力で正しい数字を出すのが現実的ではないレベルになります。

そういう場合は、暗号資産に特化した税理士サービスに最初から相談する選択肢もあります。たとえばクリプト税理士(Crypt Tax Doctor)は、NFT・DeFi・ステーキング・海外取引所を含む取引に対応したオンライン型の税務サポートで、損益計算から申告書の作成までを一括で任せられます。

特徴を整理するとこんな感じです。

  • 暗号資産分野に精通した税理士が個別対応
  • NFT・DeFi・ステーキング・海外取引所を含む幅広い取引に対応
  • 損益計算から確定申告書の作成まで一括サポート
  • LINEの無料相談あり、申込から完了まで全国オンラインで完結
  • 個別の取引状況に応じた節税対策の提案も含む

調査の追徴税額1件当たり745万円という現実を考えれば、「合っているか不安なまま自力で出す」よりも、無料相談から始めて全体像をプロに整理してもらうほうが、コスト対効果は高いと思います。LINEで相談を始められるので、依頼するかどうかは話を聞いてから決めれば大丈夫です。

仮想通貨の確定申告ならクリプト税理士(無料LINE相談)


まとめ

令和6事務年度の暗号資産調査データは、以下の通りです。

指標最新データ
実地調査件数613件(前年比+14.6%)
非違割合93.8%(約10人中9人以上)
申告漏れ所得金額156億円(前年比+23.8%)
追徴税額46億円(前年比+31.4%)
1件当たり申告漏れ所得金額2,538万円
1件当たり追徴税額745万円(所得税全体平均の2.5倍)

これから暗号資産で利益が出て確定申告が必要になる可能性がある人は、2028年の分離課税施行(最大55%→20.315%)と、国内取引所での記録がそのまま税務署に把握される前提で行動するのが無難だと思います。

暗号資産のマクロな市場規模は日本の暗号資産の口座数・取引高データで、2028年の税制改正の詳細は暗号資産の分離課税はいつから?でまとめています。あわせて参考にしてみてください。

捕捉の前段階として確定申告率そのものが『1%どまり』という実態は、日経新聞2026年4月17日の報道で改めて指摘されました。分離課税施行までにやっておくべき整理のチェックリストは暗号資産の確定申告は『1%どまり』|日経2026年4月・クリプタクト338人調査で見る実態で解説しています。


この記事で引用したデータの出典:

エム

暗号資産投資の実体験をベースに、確定申告・税金・損益計算の実務を解説しています。

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